法規制

200g未満のドローンも適用 【小型無人機等飛行禁止法】ってどんな法律?

200g未満のドローンも適用の【小型無人機等飛行禁止法】ってどんな法律?

まず、対象となる機体の分類がわかりにくいです….。

 

ここではわかりやすいように、ざっくりと説明します。

まず、大きく分けて

  • 人が乗れるものは航空機
  • 人が乗れないものは無人航空機

に分類されます。

 

航空法の規制対象となるのは

  • 航空機
  • 200g以上の無人航空機

になりますので、200g未満のドローンは航空法の規制対象外になります。

 

じゃあ、200g未満のドローンなら自由に飛ばしても大丈夫なんですね!?

 

200g未満のドローンは別の法律の規制対象になります。

 

ドローンを規制する法律は大きく分けて二つあります。

  • 航空法(200g以上のドローンが対象)
  • 小型無人機等飛行禁止法(すべてのドローンが対象)

です。

 

小型無人機等飛行禁止法ってどんな法律なんですか?

 

それでは、小型無人機等飛行禁止法についてもう少し見ていきましょう。

 

 

小型無人機等飛行禁止法とは

 

小型無人機等飛行禁止法は、2016年4月27日から施行されました。

正式名称は 重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 です。

(略称:小型無人機等飛行禁止法)

 

 

どうしてこの法律がつくられたのですか?

 

平成27年4月に内閣総理大臣官邸の屋上に小型無人機が落下した事案等を踏まえ、国の重要な施設等に対する上空からの危険を未然に防止するために成立しました。

 

小型無人機等飛行禁止法の目的

この法律は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等、防衛関係施設及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止することにより、これらの重要施設に対する危険を未然に防止し、もって国政の中枢機能等、良好な国際関係及び我が国を防衛するための基盤の維持並びに公共の安全の確保に資することを目的とする。(小型無人機等飛行禁止法第1条)

 

要するに、国の重要な施設等とその周辺の上空で、ドローンの飛行を禁止する法律なんですね。

 

そうですね。

  • 国政の中枢機能等の維持
  • 良好な国際関係の維持
  • 我が国を防衛するための基盤の維持
  • 公共の安全の確保

を目的とし、国の重要な施設等とその周辺の上空でのドローンの飛行を禁止ています。

 

小型無人機等飛行禁止法の対象となる小型無人機等とは

小型無人機(ドローン、ラジコン飛行機、ラジコンヘリ等)

飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの。(小型無人機等飛行禁止法2条3項)

特定航空用機器(ハンググライダー、パラグライダー、気球等)

航空法上の航空機以外の航空の用に供することができる機器であって、当該機器を用いて人が飛行することができるもの。(小型無人機等飛行禁止法2条4項)

 

一般的にトイドローンやホビードローンと呼ばれるような、重量200g未満のドローンも本法律の規制の対象になります。

 

小型無人機等飛行禁止法の対象施設

 

対象施設の詳細につきましては、下記のURLをご参照ください。

 

 

飛行禁止エリア

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飛行禁止エリアは対象施設の「敷地又は区域の周囲おおむね300mの地域の上空」とされていますが、番地単位の指定となるため、300mを超える地点が対象になることもあります。

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出典:警察庁HP

対象施設周辺地域(イエローゾーン、レッドゾーン)上空における小型無人機等の飛行は禁止されています

  • レッドゾーン  : 対象施設の敷地・区域の上空
  • イエローゾーン : 周囲おおむね300mの上空

 

 

 

 

東京都心部における対象施設周辺地域図

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東京都心部における対象施設周辺地域図の詳細はこちら (警察庁PDF)

 

 

国の重要な施設の近くでは、ドローンの飛行は禁止されているんですね。

 

ドローンを飛ばすには様々な規制やルールを守ることが大切です。

 

 

ドローンを飛ばすには飛行ルールも重要!

 

 

規制対象の例外

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下記の場合に限り、小型無人機等の飛行禁止に関する規定は適用されません。

 

①対象施設の管理者又はその同意を得た者が当該対象施設に係る対象施設周辺地域の上空において行う小型無人機等の飛行

②土地の所有者若しくは占有者(正当な権原を有する者に限る。)又はその同意を得た者が当該土地の上空において行う小型無人機等の飛行

③国又は地方公共団体の業務を実施するために行う小型無人機等の飛行

 

ただし、対象防衛関係施設及び対象空港の敷地又は区域の上空(レッドゾーン)においては、

 

②土地の所有者若しくは占有者が当該土地の上空において行う飛行

③国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行

 

であっても、対象施設の管理者の同意が必要です。

 

 

4

 

 

 

対象施設周辺地域において飛行を行う場合の手続

 

飛行禁止エリアでドローンを飛ばす場合はどうすればいいですか?

 

適切な手続きをふめば、対象施設周辺地域でもドローンを飛ばすことができます。

 

 

規制対象の例外が認められた場合、小型無人機等の飛行を行おうとする者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、その旨を当該小型無人機等の飛行に係る対象施設周辺地域を管轄する警察署を経由して、都道府県公安委員会(警察)・管区海上保安本部長等に通報する必要があります。

また、対象施設周辺地域の区分に応じ、当該各所への通報も必要です。

 

ここでいう通報とは、公安委員会等に通報書を提出することをいいます

 

通報書にはどんなことを記載するのですか?

 

通報書の記載事項は

  • 飛行をおこなう日時と目的
  • 対象施設の区域 (地図も添付)
  • 操縦者の氏名・生年月日・住所・電話番号
  • 操縦者の勤務先の名称・住所・電話番号(業務として行う場合)
  • ドローンの種類・特徴・製造者の名称・製造番号・色・大きさ・積載物・その他の特徴
  • (船上から飛行させる場合)船舶の名称・船舶番号等・船種・船籍港・総トン数・連絡手段
  • ドローンの種類・特徴・製造者の名称・製造番号・色・大きさ・積載物・その他の特徴
  • 外観図(写真)

です。

 

 

対象施設 通報先
全ての対象施設 都道府県公安委員会(対象施設周辺地域を管轄する警察署経由)
皇居及び御所 皇宮警察本部長
海域を含む対象施設周辺地域 管区海上保安本部長
防衛関係施設 対象施設の管理者
空港 対象空港の管理者

 

 

事前の通報を要しない例外規定

対象防衛関係施設の敷地又は区域及びその指定敷地等の上空において、小型無人機等の飛行を行う場合であって、当該通報を行うことが困難な場合において、当該対象施設の管理者が、防衛大臣が警察庁長官に協議して定めるところにより、当該小型無人機等の飛行の識別を容易にするため必要な当該通報に代わるべき措置をとるときは、事前の通報を要しないことと定められています。

 

 

対象施設周辺で飛行を行う場合の手続きの流れ

4

① 対象施設の管理者

② 国または地方公共団体(公務の場合に限る)

③ ①②以外の方

 

① 対象施設の管理者

step
1
飛行の48時間前までに、対象施設を管轄する警察署に通報書を提出

step
2
その際、実際に飛行させるドローンを提示。それが困難な場合は写真を提出。

 

 

 

② 国または地方公共団体(公務に限る)

step
1
飛行の48時間前までに、対象施設を管轄する警察署に通報書を提出

step
2
その際、実際に飛行させるドローンを提示。それが困難な場合は写真を提出。

step
3
また、国又は地方公共団体から委託を受けたことを証する書面の写しを提出

 

 

③ ①②以外の方

step
1
対象施設の管理者等から、同意を証する書面の交付を受ける

step
2
飛行の48時間前までに、対象施設を管轄する警察署に通報書を提出

step
3
その際、対象施設の管理者等から交付された同意を証する書面の写しを提出す

 

 

ポイント

・対象防衛関係施設の上空でドローンの飛行を行おうとするときは、①②③いずれの方も、通報に先立って対象防衛関係施設の管理者から同意を証する書面の交付を受ける必要があります。

・対象防衛関係施設の管理者の同意を要する場合は、飛行を行う10営業日前までに当該対象防衛関係施設の管理者へ申請を行わなければなりません。

 

メモ

「国又は地方公共団体から委託を受けて飛行を行うことを証する書面」とは (例)業務委託契約書など

「対象施設の管理者等から交付された同意を証明する書面の写し」とは (例)対象施設の管理者等の署名捺印のある同意書など

 

 

 

 

都道府県公安委員会(警察署経由)

 

①②③共通の手続き

  • 小型無人機等の飛行を行う48時間前までに、対象施設周辺地域を管轄する警察署に所定の様式の通報書を提出
  • この際、実際に飛行させる小型無人機等を提示(提示が困難な場合は、当該小型無人機等の写真を提出)

上記に加えて

  • ②の場合…飛行を行うのが国又は地方公共団体の委託を受けた事業者等である場合には、国又は地方公共団体から委託を受けて小型無人機等の飛行を行うことを証明する書面の写しを提出
  • ③の場合…対象施設の管理者等から交付された同意を証明する書面の写しを提出

 

 

①②以外の方の追加手続き

①②以外の方は都道府県公安委員会への通報(警察署経由)に先立ち、下記のいずれかから同意を得る(同意を証する書面の交付を受ける)必要があります。

  • 対象施設の管理者
  • 土地の所有者等(当該土地の上空を飛行させる場合のみ)

 

 

関連

災害その他やむを得ない場合に限っては、飛行を行う直前までに、警察署に口頭で通報することで足りることとしています。

ただし、その場合であっても、「①②以外の方」については、警察署への通報に先立って対象施設の管理者等からの同意を得る必要があります。

 

 

 

対象防衛関係施設(対象防衛関係施設の管理者)

 

  • 飛行を行う48時間前までに、対象防衛関係施設の管理者及び管轄する警察署並びに海上保安本部等(対象施設周辺地域に海域が含まれる場合に限る)に所定の様式の通報書を提出
  • 対象防衛関係施設及びその敷地又は区域の上空で飛行を行おうとする場合は、警察署への通報に先立って対象防衛関係施設の管理者から同意を得る(同意を証する書面の交付を受ける)必要があります。

 

 

上記に加えて

  • 飛行を行うのが国又は地方公共団体の委託を受けた事業者等である場合には、国又は地方公共団体から委託を受けて小型無人機等の飛行を行うことを証明する書面の写しを提出
  • 又は、対象防衛関係施設の管理者から交付された同意を証明する書面の写しを提出

 

対象防衛関係施設の管理者の同意を要する場合は、飛行を行う10営業日前までに当該対象防衛関係施設の管理者へ申請を行わなければなりません。

 

関連

災害その他やむを得ない場合に限っては、飛行を行う直前までに、対象防衛関係施設の管理者に口頭で通報することで足りることとしています。

ただし、その場合であっても、通報に先立って対象防衛関係施設の管理者からの同意を得る必要があります。

 

 

 

対象空港(対象空港の管理者)

 

  • 飛行を行う48時間前までに、対象空港の管理者及び管轄する警察署並びに海上保安本部等(対象施設周辺地域に海域が含まれる場合に限る)に所定の通報書を提出
  • この際、実際に飛行させる小型無人機等を提示(提示が困難な場合は、当該小型無人機等の写真を提出)

上記に加えて

  • 飛行を行うのが国又は地方公共団体の委託を受けた事業者等である場合には、国又は地方公共団体から委託を受けて小型無人機等の飛行を行うことを証明する書面の写しを提出
  • 又は、対象空港の管理者等から交付された同意を証明する書面の写しを提出

 

 

 

関連

災害その他やむを得ない場合に限っては、飛行を行う直前までに、所定の事項を対象空港の管理者に口頭で通報することで足りることとしています。

 

 

 

違反に対する警察官等による命令・措置

警察官等は、小型無人機等飛行禁止法の規定に違反して小型無人機等の飛行を行う者に対し、機器の退去その他の必要な措置をとることを命ずることができる。

また、一定の場合には、小型無人機等の飛行の妨害、破損その他の必要な措置をとることができる、と定められています。

 

 

罰則

・レッドゾーンでの飛行

対象施設及びその指定敷地等の上空で飛行を行った者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する(法12条1項)。
※レッドゾーンでの飛行は、警察官等の命令の有無を問わず罰則適用(直罰規定)

 

・イエローゾーンでの飛行

警察官、皇宮護衛官、海上保安官、自衛官の命令に違反した者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する(法12条2項)

 

 

 

まとめ

航空法は聞いたことあるけど、「小型無人機等飛行禁止法」はよくわからない。

という方に

ドローンを飛ばすなら、航空法とあわせて知っておきたい「小型無人機等飛行禁止法」をご紹介しました。

 

  • すべてのドローンが対象
  • 重要施設のまわりは飛行禁止
  • 飛ばすには通報が必要
  • 違反すれば罰則あり

 

以上、「200g未満のドローンも適用 【小型無人機等飛行禁止法】ってどんな法律?」でした。

ありがとうございました。

 

 

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